格安SIMに乗り換えたい、でもどれにしていいかわからない…。格安SIMはいろいろあって迷ってしまいますね。自分に最適な格安SIMを選ぶときに、チェックしておきたい10の基準をまとめてみました。
docomo系・au系・SoftBank系? …どこの回線を使う格安SIMか
格安SIMの通信サービスは、使っている回線によってdocomo系・au系・SoftBank系に分けられます。まずは、どこの回線を利用している格安SIMにするかを選びましょう。
格安SIMの通信サービスは、キャリアのネットワークを借りて行っています。docomoの回線が一番借りやすいので、数多くの格安SIMがdocomoネットワークを利用しています。au回線を使っているところは増えてはきたものの、まだ少数派。SoftBank回線を利用する事業者は最近ようやく登場したばかりです。
docomoのスマホなら、docomo系だと乗り換えも簡単
docomoの端末を持っていて、このスマホをそのまま使っていきたい…という場合は、docomo回線を使っている格安SIMであればスムーズに乗り換えることができます。
この時、docomo以外の回線を使う格安SIMに乗り換える場合は、SIMロック解除という手続きを行います。こういった手続きが面倒であれば、元のキャリアと同じ回線を利用している格安SIMを選ぶことをおすすめします。
なお、格安SIMに乗り換える時、電話番号もそのまま使うことができます(ナンバーポータビリティ:MNP)。その場合は、元々の大手キャリアで手続きをします。
今のところマイナーなau系・SoftBank系の格安SIMも、きっとこれから増えてくるはず。日々進化する格安SIMの新サービスに期待しましょう。
スマホ端末はどうする? …スマホのセット購入も可能
どのスマホ端末で格安SIMを使うか決めていますか。今の端末にこだわらない場合は、新たにスマホを用意する必要があります。調達の方法は2種類です。
- SIMフリーの端末を購入する
- 格安SIMと一緒にスマホを購入する
SIMフリーの端末であっても、格安SIMの公式サイトにある「動作確認済みの端末一覧」で使えるかどうか確認しておくことを忘れずに。せっかく買ったのに使えなかった、なんていうことのないようにしましょう。
SIMとスマホを一緒に選ぶのであれば、購入できる機種が豊富なブランド、欲しい機種が用意されている格安SIMの会社が候補になりますね。セット購入の場合、お得なキャンペーンや特典があるかもしれません。チェックしておきましょう。
格安SIMでは初期設定を自分でこなさなくてはなりませんが、セット購入なら設定済みの状態で届けられるメリットもあります。
格安SIMのスマホセット – iPhoneを購入できるMVNOまとめ
電話をする?しない? …音声通話SIMかデータ専用SIMか
格安SIMでは、「音声通話SIM」「データ通信専用SIM」を選択できます。音声通話SIMとはつまり、「電話ができる」ということです。今までと同じようにメールや通話をするつもりなら、「音声通話プラン」を選びましょう。
メインではなく2台目のスマホとして使う場合は「データ通信専用SIM」で十分かもしれません。電話に関してはLINEなどの通話アプリを使えればいい、という場合はデータ通信専用SIMの「SMS機能付き」を選びます。
LINE、GREE、モバゲー、各種ポイントサイトなどを使うとき、本人確認が必要になります。このとき使われる方式が「SMS認証」。携帯電話の番号を使って個人を認証するものです。データ通信専用SIMにSMS機能を付けると、120~150円くらいプラスされますが、音声通話SIMよりは料金が安いです。
通信容量はどのくらい使う? …毎月の高速通信容量を選ぼう
次は、「どのくらいの通信容量プランにするか」です。
格安SIMのプランは多くの場合、通信容量ごとに設定されています。その種類は、1GB以下のプランから10GBを超える大容量プランまで豊富。その中から自分にぴったりくるプランを選ぶのですが、いったいどのくらいにすればいいのでしょう?
まずはどのくらい通信容量を使っているか確認
既にスマホを利用しているのであれば、毎月どのくらいの容量を使っているか調べることは難しくありません。docomoでは「My docomo」、auでは「My au」、SoftBankでは「My SoftBank」で当月分利用データ量を確認できるので、おおよその利用量がわかります。
格安SIMのサイトには、「最適プラン診断」というようなチェックページが用意されているので一度試してみてください。
はじめてスマホを買う人は容量の選択に悩みますね。どうしようか決めかねる場合は、3GBをおすすめします。3GBはもっとも標準的なプラン。メールやLINE、FacebookなどのSNS、Web閲覧などを楽しめて、ちょこちょこ動画も見られる容量です。
ふだん、あまりネットなどを使わないなら1~2GB、動画をよく見る、オンラインゲームなどもするヘビーユーザーなら5GB以上というのがおおよその目安です。
「自宅にWi-Fiがある」かどうかで、必要な容量は大きく違う
家にWi-Fiがありますか? Wi-Fiがあると、Wi-Fiを通してインターネットに接続ができます。その場合はスマホの通信回線を使わないので、データ通信量を消費しません。
自宅ではWi-Fiが使えて、外出先でそれほどスマホを使わないのであれば、思ったよりも小さな容量で十分かもしれません。Wi-Fiを利用できる環境を作っておくと、月々の上限のデータ通信量を抑えられます。ぜひ、活用しましょう。
通信速度が気になる? …通信品質・通信速度は参考程度に
格安SIMの通信速度については、いろいろなサイトで紹介されています。格安SIMを選ぶ目安のひとつになりますが、過信はせず総合的に決めましょう。
格安SIMは、大手キャリアよりも通信速度が遅くなるというのがちょっと残念なところ。乗り換えがしたくても「通信が遅くなるのは困る」という方もいるのではないでしょうか。
大手キャリアや格安SIMの公式サイトに記載されている通信速度は最高通信速度であり、条件が整った状況での理論値です。実際の通信速度は、月ごとにデータや使用感が紹介されています。通信速度は、ユーザー数や時間帯などさまざまな要因によって変わるものなので、あくまでも参考程度にしましょう。
それを考慮した上で、通信速度が安定している格安SIMは信頼できると言えそうです。通信回線の増強などに力を入れている格安SIMも評価が高くなります。
通信速度にこだわる方は、最新の速度データを参考にして候補を絞りましょう。そこまで速さを求めないという方は、安定して長く利用できる信頼のブランドをおすすめします。
電話かけ放題を使う? …通話オプションサービス
格安SIMには通話料金の割引サービス、かけ放題サービスを提供しているところもあります。会社によってオプションの有無や条件の違いがあるので、じっくり検討しましょう。
格安SIMの通話料金は、30秒で20円が一般的。この料金でひんぱんに電話をかけていれば、大手キャリアのときよりもスマホ代が高くなってしまうことも。通話料金を半額(30秒で10円)にするサービスは、アプリをダウンロードして、そこから通話することで利用できます。無料のサービスで、これは多くの格安SIMが用意しているサービスです。
通話の多い方には、電話の定額利用サービスがある格安SIMをおすすめします。以前は、かけ放題オプションのある格安SIMが少なかったのですが、最近は多彩な通話サービスが登場してきました。
かけ放題は有料のオプションですが、各ブランドごとにさまざまなタイプがあります。1分、5分、10分のかけ放題や、よくかける通話先の料金を無料にするサービス、IP電話サービス…。自分の電話のスタイルによって選びましょう。
とはいえ、通話オプションは月額料金にダイレクトに加算されます。通話はLINEなどの無料通話アプリを駆使してできるだけ安く抑えていきたいものです。
よく使うアプリが決まっているなら …カウントフリーサービス
カウントフリーとは、サービスを利用するときにそのデータ通信量をカウントしない(通信量が減らない)サービスです。よく使うアプリがある人は、格安SIMのカウントフリーサービスをチェックしてみてもいいかもしれません。
たとえばLINEモバイルは「データフリー」というサービスで、対象サービス(SNS音楽データフリープランでいえば、LINE・Twitter・Facebook・Instagram・LINE MUSIC)利用時にデータ通信量を消費しない機能があります。
BIGLOBEモバイルは、エンタメ系のサービスが充実しています。「エンタメフリー・オプション」を付けるとYouTubeやGoogle Play Music、Abema TVなどの通信が定額になります。これらのアプリをよく利用するなら、候補にあげたい格安SIMブランドです。
SNSどっぷりな人向けの格安SIMまとめ – 指定SNSの通信カウント無し!
容量をできるだけ無駄にしたくない …翌月繰越サービス
格安SIMでは、使い切らずに余ったデータ容量を、翌月に繰越できるサービスを提供している会社が多くあります。
これはたとえば、3GBプランの契約だけれど2GBしか使わなかった場合、余った1GBが翌月に持ち越されるサービス。翌月使えるデータ容量はその月分の3GB + 持ち越した1GBの計4GBになります。
この繰越サービスがあると、データ容量に余裕を持たせたプラン選択をしなくても間に合うかもしれません。平均で3GBくらい使っているけれど、多い月は3.5GB利用しているような場合、「3GBプランでなくその上の5GBプランにしておこう」となりがちですね。この時、容量繰越サービスを活用できるなら、3GBプランで収まる可能性が高くなります。
また、毎月の利用にムラがある場合も便利です。ひとまわり大きなプランを選ばなくて済むので、スマホ料金の節約になります。データ繰越サービスは、メジャーな格安SIMの大多数にあるサービスですが、中には対応していないところもあるのでチェックしてみてください。
家族みんなで乗り換えたい …シェアサービス、ファミリープラン
家族で乗り換えをする時にお得になるプラン設定をしている格安SIM、家族で利用する時に便利なサービスを用意している格安SIMもあります。
家族向けの料金プランは大きく2種類です。
- 1つの契約で複数枚のSIMカードを使えるもの
- 複数の格安SIMについて、家族割が使えて月額料金が安くなるもの
1つの契約で複数枚のSIMカードを使えるタイプは、1枚は自分のスマホに使って、残りは家族に渡して使えます。すでに家族がスマホを持っていて、名義がバラバラの場合は、申し込む人の名義に変更しておく必要があります。複数の格安SIMが使えて家族割が適用されるタイプは、それぞれの名義が異なっていても大丈夫です。
容量シェア、伝言板機能など家族向けのサービスも
家族向けのプランを選ぶのであれば、料金がお得になるというだけではなく、家族仕様のオプションや機能にも注目したいもの。容量をフレキシブルに分け合えたり、子どもの安全を守る機能、家族のコミュニケーションを楽しめる機能、電話のかけ放題などのサービスがついている格安SIMがあります。
一家で乗り換え!家族割引やシェアプランの充実している格安SIM
プランを変えたくなったら? …プラン変更のしやすさ
スムーズにプラン変更ができるところは、格安SIM初心者にとって優しい会社です。プラン変更のしやすさも、格安SIM選びのポイントになります。
一番自分に合った格安SIMを選んだつもりだったけれど、「こんなに容量はいらなかった」「もうワンランク大きいプランがよかった」などと思うこともありそう。プラン変更が手軽にできれば安心です。
格安SIMの容量プラン変更は、自分で手軽にできるところが増えています。多くの場合、マイページや会員サポートといった管理アプリから変更します。「3GBから5GBに変更」という風に自分で選択しておけば、翌月から適用されるところがほとんど。思いついたときに自分でさっと変更できるのはとても便利です。
自分に合ったデータ容量がよくわからない方、環境の変化でプランを見直す可能性がある方は、プラン変更をしやすい格安SIMを選ぶとよいでしょう。
データSIMから通話SIMに変更したり、通話SIMからデータSIMへと変更する場合はそう簡単ではなく、格安SIMによって変更方法が変わってきます。一度解約して新規契約することになる場合は、契約手数料(2000~3000円程度)がかかるので注意しましょう。
料金の安さで選びたい …格安SIM間の価格差はほとんどない
格安SIMの料金は大手キャリアよりもぐんと安いのですが、実は格安SIM同士の価格には差がほとんどありません。差があっても100円くらいです。
単純に価格で選ぶよりも、いかに自分にあった容量プランを選ぶかを念頭に置いた方がよさそうです。オプションサービスをどこまで付加するかということも大事な要素です。それらを考慮してから、料金比較をしてもよいでしょう。
まとめ
「docomo系か、au系か、SoftBank系の回線か」
↓
「スマホ端末は何を使うか」
↓
「電話をするかしないか」
↓
「どのくらいの通信容量が必要か」
まずはこんな風に選んでみて、候補をいくつかピックアップしましょう。その上で、使い方に応じて以下のポイントを確認します。
- どんな通話サービスがあるとよいか
- よく利用する特定のアプリに対応したサービスがあるか
- データ容量の繰越サービスがあるか
- プラン変更をしやすいか、見直しがスムーズにできるか
- 家族で乗り換える場合、メリットがあるか
もしプランに迷ったら、もっとも標準的でバランスのとれた3GBの契約から始めるのがおすすめです。また、契約変更が簡単な格安SIMを選んでおくと、より自分に合ったプランへと見直すことができます。
バラエティーに富んだサービスが次々に生まれている格安SIMサービス。種類もプランも増えて選ぶことがたいへんになってきました。自分にぴったりの格安SIMを上手に選ぶために、少しでもお役に立てれば幸いです。