スマホの料金が大幅に安くなるという「格安SIM」。今、いろいろな会社のCMを目にしますね。この格安SIMに乗り換えるハードルが、一気に下がったのです!
SIMロック解除とは?
「SIMロック」と「SIMロックの解除」
スマホの中に入っているSIMカード。ここには、電話番号や契約内容など、通信に必要な情報が書き込まれています。SIMカードは差し替えることができるので、フレキシブルな使用が可能です。たとえばSIMカードだけ他の端末に入れて通話したり、海外で現地のSIMカードだけ買ってスマホを使ったり…ということもできるはずでした。
ところが日本では「国内のキャリア(大手の携帯電話会社)のスマホには、その会社のSIMカードしか使えない」という制限が設けられています。「SIMロック」と呼ばれているものです。スマホに鍵がかけられているようなものですね。
今、このロックを解いて、他社のSIMカードを自由に差し入れて使えるようにしようというしくみができあがりつつあります。「SIMロックの解除」です。
SIMロック解除の義務化
SIMロックは他社の回線を利用できなくするもの。ユーザーは端末と通信サービスを別々に選ぶことができず、セットになったものを購入するしかありません。この点を問題視し、SIMロックを解除するよう業界を指導したのは、総務省でした。
2015年5月、SIMロックを無効化することが新たなルールとして発表されました。「SIMロック解除の義務化」です。総務省が大手キャリアにSIMロックを無効化できるよう義務付けたのです。
SIMロック解除義務化を受けて成長する格安SIM市場
SIMロックが解除できると、スマホを変えずに好きな会社の通信サービスを選ぶことができます。SIMカードを交換するだけで良いのです。
そこで活気づいたのが、格安SIM市場。今までSIMロックのために格安SIMに手を出せなかったけれど、ついに乗り換えられるようになる! スマホ料金が節約できる! そんなユーザーの期待を受けて、たくさんの会社が市場に参入し、多彩な通信サービスを展開するようになりました。
格安で通信サービスができるわけ
「今までよりスマホ料金が5000円も安くなった」「家族で年に20万円も節約できた」などの武勇伝が聞こえる格安SIM。なぜこんなに安くなるのでしょう?
格安SIMの会社は、自前の通信回線を持っていません。大手キャリアの回線を借りてサービスをおこなっているのです。設備にかかるコストがかからないから、安くサービスを提供できるんですね。
SIMロック解除をしなければ格安SIMは使えない?
さて、「通信回線を借りる」と言いましたが、現在、格安SIMの会社の多くはdocomoの回線を借りています。docomoのスマホはそのままdocomo回線の格安SIMを使用できます。SIMロック解除をする必要はありません。「SIMロック解除をしない=格安SIMは使えない」ということはないのです。
ガイドラインで変わったこと
「価格とサービスの競争を促進させよう」「端末や通信サービスを自由に選択できる環境にしよう」「競争が進めば、料金はさらに安くなるはず」こうした総務省の考えは、2017年01月の「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドライン」にも反映されています。
格安SIMが使いやすくなる
ガイドラインでは、「格安SIMサービスが同じ回線を使う場合は、SIMロック解除する必要はない」という変更が入りました。つまりこういうことです。「格安SIMのサービスがau回線を使っているなら、auのスマホがそのまま使える」。SoftBankも同様に、「SoftBank回線の格安SIMであればそのままSoftBankのスマホが使える」。
そうです、納得できなかったポイントがクリアになったのです。2017年8月1日以降に販売されたスマホから開始されました。格安SIMを利用するハードルが低くなりますね!
SIMロック解除の条件もゆるくなる
ガイドラインでは、SIMロック解除の条件についても触れています。キャリアに対して要請していることは以下の二点です。
- SIMロック解除の可能になる期間を100日程度に短縮する
- 端末代を一括で支払っている場合は、即時SIMロック解除が可能になるようにする
今まで半年間だったものが短くなるとともに、即日解除できる対象も広がります。docomo、SoftBankはこれを受けてガイドラインに沿った条件変更をすでにしています。今後も、条件がゆるくなっていくことが予想されます。
まとめ
今まではSIMロック解除が必要だったけれど、もういらない…というケースが増えそうです。格安SIM普及の追い風になることでしょう。SIMロック解除そのものもトライしやすくなっています。乗り換えがしやすくなって、格安SIMのユーザーがぐっと増えるのではないでしょうか。