docomo回線を使う「エキサイトモバイル」は、インターネットの老舗企業、エキサイト株式会社が提供する格安SIM。毎月利用した分だけ料金を支払う「最適料金プラン」や、家族でデータをシェアできる「3枚コース」などが好評です。
エキサイトモバイルの特徴
- docomoネットワークを利用
- 「最適料金プラン」(段階定額制)と「定額プラン」がある
- SIM3枚コースがあり、データをシェアできる
- 低速通信のみの料金設定がある
- 定額プランは30、40、50Gの大容量コースがある
- バースト機能、高速・低速通信切り替えなどの機能がある
- 2018年10月にインターネット関連企業、XTech(クロステック)社の傘下に入る
エキサイトモバイルの料金プラン
エキサイトモバイルは、珍しい段階定額制の「最適料金プラン」が人気です。使った分だけ料金を支払うしくみなので、スマホ料金を節約できます。また、一般的な「定額プラン」もあり、使い方によってどちらかを選べます。
まずは「最適料金プラン」を見てみましょう。料金設定は12段階と細やかです。また、高速データ通信を使わない「低速通信のみ」の設定もあります。
最適料金プラン月額料金(1枚コース)
データ通信専用 | SMS機能付 | 音声通話+SMS機能付 | |
---|---|---|---|
低速通信のみ | 500円 | 640円 | 1,200円 |
~100MB | 630円 | 770円 | 1,330円 |
~500MB | 630円 | 770円 | 1,330円 |
~1GB | 660円 | 800円 | 1,360円 |
~2GB | 770円 | 910円 | 1,470円 |
~3GB | 880円 | 1,020円 | 1,580円 |
~4GB | 1,150円 | 1,290円 | 1,850円 |
~5GB | 1,450円 | 1,590円 | 2,150円 |
~6GB | 1,600円 | 1,740円 | 2,300円 |
~7GB | 1,900円 | 2,040円 | 2,600円 |
~8GB | 2,120円 | 2,260円 | 2,820円 |
~9GB | 2,200円 | 2,340円 | 2,900円 |
~10GB | 2,380円 | 2,520円 | 3,080円 |
表示は税抜料金
最適料金プランは、その月の高速データ通信の使用量に応じて支払う料金が決定します。細かなデータ量の設定で、ほぼ従量料金制のプランとなっています。
月ごと、季節ごとに利用する頻度や時間が異なる場合には非常に便利なプランです。なるべくデータ通信料を節約したい・高速通信を利用しない月がある…という場合におすすめです。
逆に、うっかり高速データ通信を使いすぎてしまうことがあるという人は、注意する必要があります。プランの上限が10GBまでのため、意外と簡単に上限に達してしまうかもしれません。なお、翌月へのデータ繰り越しはありません。
低速通信のみのコースとは?
一番安い「低速通信のみ」のプランは、高速通信を使わなかった場合に適用となります。低速通信の速度は200kbps以下です。これは、メールやLINEでの文章のやりとり、Webの閲覧くらいであれば利用できる速さです。動画を見たり音楽を聴いたりすることには適していません。
また、SIM3枚を申し込むコースもあります。以下は、最適料金プラン3枚コース・データ通信専用の料金表です。
最適料金プラン月額料金(3枚コース)
SIM3枚コースでは、1契約分の高速データ通信量を3枚のSIMでシェアすることが可能です。1枚当たり、月額で700円を追加すれば音声通話+SMS機能付SIMに、140円を追加でSMS機能をつけることができます。
以下は、3枚いずれもデータ通信専用SIMの場合の料金です。3枚合計での金額であり、1枚コースを3つ契約するよりもかなりお得です。
~100MB | 1,050円 |
---|---|
~500MB | 1,100円 |
~1GB | 1,180円 |
~2GB | 1,340円 |
~3GB | 1,550円 |
~4GB | 1,780円 |
~5GB | 1,890円 |
~6GB | 1,950円 |
~7GB | 2,100円 |
~8GB | 2,190円 |
~9GB | 2,380円 |
~10GB | 2,540円 |
~11GB | 2,830円 |
~12GB | 3,100円 |
~13GB | 3,450円 |
~14GB | 3,790円 |
~15GB | 3,980円 |
表示は税抜料金
3枚のSIMは、「1枚だけ音声通話機能を付ける」「1枚はSMS機能を付ける」という風にフレキシブルに機能をプラスできます。使う人や端末、使用目的に応じて組み合わせることが可能です。家族でデータをシェアしたい場合や、1人で複数台の端末を利用する場合に便利なコースです。
利用した分だけ料金を支払う段階定額制プランを提供している格安SIMは、他にも「b-mobile」や「nuroモバイル」があります。この2社のプランとの比較は、後ほど説明します。
一般的な「定額プラン」も見てみましょう。こちらも、低速通信のみの「0MBコース」、SIM3枚を申し込める「3枚コース」の設定があります。定額プランでは、最適料金プランになかった大容量のコース(20~50G)があるのも特徴です。
定額料金プラン月額料金(1枚コース)
データ通信専用 | SMS機能付 | 音声通話+SMS機能付 | |
---|---|---|---|
0MB | 650円 | 790円 | 1,350円 |
1GB | 670円 | 810円 | 1,370円 |
2GB | 770円 | 910円 | 1,470円 |
3GB | 900円 | 1,040円 | 1,600円 |
4GB | 1,170円 | 1,310円 | 1,870円 |
9GB | 2,250円 | 2,390円 | 2,950円 |
20GB | 3,980円 | 4,120円 | 4,680円 |
30GB | 5,980円 | 6,120円 | 6,680円 |
40GB | 7,980円 | 8,120円 | 8,680円 |
50GB | 10,180円 | 10,320円 | 10,880円 |
表示は税抜料金
定額料金プラン月額料金(3枚コース)
3枚いずれもデータ通信専用SIMの場合の料金です。こちらも3枚合計でこの料金となっています。
0MB | 1,100円 |
---|---|
1GB | 1,260円 |
2GB | 1,450円 |
3GB | 1,680円 |
4GB | 1,980円 |
9GB | 2,460円 |
20GB | 4,480円 |
30GB | 6,580円 |
40GB | 8,580円 |
50GB | 10,680円 |
表示は税抜料金
最適料金プランと同様に、高速データ通信量を3枚のSIMでシェアすることができます。1枚につきSMS機能付は140円、音声通話+SMS機能付は700円がプラスされます。なお0MBとは、低速通信のみ利用できるプランです。
定額プランは、月々の利用に大幅な変動がない方、利用料の変動が気になる方におすすめです。その月に使い切れなかったデータ量は、翌月に繰り越すことができます。
他社の段階定額制プランとの比較
エキサイトモバイルの他にも、「使った分だけ支払う」段階定額制のプランを用意しているところがあります。
- b-mobile「990ジャストフィット」
- nuroモバイル「0 SIM」
各社の段階定額制プランを比較してみます。b-mobileは、音声通話+SMS機能付のプラン限定なので、エキサイトモバイル・nuroモバイルも同じサービスのプランを抜粋して紹介します。
エキサイトモバイル、b-mobile、nuroモバイルの段階定額制プラン
(音声通話+SMS機能付プラン月額料金)
エキサイトモバイル | b-mobile | nuroモバイル | |
---|---|---|---|
低速通信 のみ |
1,200円 | 990円 | 700円 |
~1GB | 1,360円 | 990円 | 500MB~2Gまで 100MB毎に100円加算 |
~2GB | 1,470円 | 1,490円 | 2,300円 |
~3GB | 1,580円 | 1,990円 | 2,300円 |
~4GB | 1,850円 | 2,490円 | 2,300円 |
~6GB | 2,300円 | 3,490円 | 以降、チャージ可能 |
~10GB | 3,080円 | 5,490円 (以降1GB毎に350円、 15Gまで) |
チャージ可能 |
表示は税抜料金
エキサイトモバイルの最適料金プランは、0~1Gでは他社より割高ですが、高速通信料が大きくなるに従って割安になります。2G以上の利用が見込まれる場合は、エキサイトモバイルがお得です。
SIMを複数枚利用してデータをシェアできる
先述したように、SIM3枚コースでは、1契約分の高速データ通信量を3枚のSIMで分け合うことができます。最適料金プランの3枚コースであれば、すべてのSIM高速データ通信量の合算分に応じて月額料金が決定します。定額プランでは、決まった高速データ通信料を複数枚のSIMでシェアして利用します。
家族でシェアするという使い方の他に、メインのスマホの他にデータ専用端末、タブレットなど複数の端末を使い分ける…といった場合に便利なコースです。
1契約で最大5枚まで利用可能
「4人家族だからSIMが4枚欲しい」という場合にはSIMカードを追加で申し込むこともできます。1契約で利用できるSIMは最大5枚。SIMカード1枚につき、追加手数料として3,000円(税抜)が必要です。
コースの変更もできる
3枚コースを家族で申し込み、子どもが独り立ちをすることになったらどうでしょうか。この場合、コースの変更をマイページから申し込むことができます。契約プラン変更には手数料は発生しません。ただしSIMの追加やサイズ変更の場合は、1枚につき3,000円(税抜)の手数料が発生します。また、当月内にプラン変更手続きできるのは1回のみです。
月末の前々日までに変更手続きができれば、翌月1日より変更が適用となります。なお、音声通話SIMには1年間の最低利用期間があるので注意しましょう。1年以内の解約では、9,500円の解約事務手数料が発生します。
高速通信の追加チャージ、高速・低速通信切り替えも利用できる
その他、便利な機能として、以下のようなサービスが利用できます。
サービス | 料金 |
---|---|
高速通信追加チャージ | 1GBあたり580円 |
高速通信のON/OFF切り替え | 無料 |
バースト機能 | 無料 |
留守番電話 | 月額350円/枚 |
キャッチホン | 月額250円/枚 |
ウィルスバスター | 月額250円/枚 |
i-フィルター(フィルタリング) | 月額360円/枚 |
タブホ(雑誌・書籍読み放題) | 月額500円/枚 |
AOSクラウド(バックアップ) | 月額500円/枚 |
表示は税抜料金
高速通信追加チャージは、高速データ通信量を上限まで使ってしまった場合に追加で上乗せできるサービスです。格安SIMでは1Gのチャージが1,000円以上というものも多い中、1G580円はかなり安い方です。ただし、有効期限がチャージ月の月末までと短いのが欠点です。
バースト機能とは、低速データ通信でもはじめの一定量だけ高速データ通信ができる機能です。特にWebサイトを開くときなど、低速でも比較的快適に使うことができます。
高速通信のON/OFF切り替えは、高速通信を使うか使わないかを自由に切り替えられる機能です。複数枚のSIMを利用している場合は、それぞれについて設定できるので便利です。
なお、エキサイトモバイルでは高速通信時の通信制限はありません。低速通信時(高速データ通信量の残量が0で、低速通信設定になっている時)に直近3日間の通信料が合計366MBを超えると、通信制限が行われる場合があるとのことです。
通話が多い人は割高になってしまう可能性も
エキサイトモバイルの音声通話SIMは、通話料金が30秒で20円です。頻繁に通話していると、通話料が非常に高くなってしまうことも…。1日10分の通話を10日間したとすると、通話料はいくらになるでしょうか。
1日の通話料金・400円 × 10日間 = 4,000円
1ヵ月で4,000円の通話料金となります。30日間毎日通話したら、12,000円です。
他の格安SIMでは、「10分電話かけ放題」(楽天モバイル、LINEモバイル等)「3分かけ放題」(IIJmio、BIGLOBE モバイル等)などの通話サービスがあります。また、通話料金を半額にするサービスがあるところも少なくありません。(NifMo、mineo) 通話が多い人は、通話サービスの充実した格安SIMを検討した方が良いでしょう。
セット端末のスマホは13種類のラインナップ
SIMと一緒にスマホなどの端末も新しく用意したい場合は、端末セットを購入することができます。申し込みはSIM1枚につき1台だけ。20,000円をきる端末から100,000円以上のハイスペック端末まで、品揃えは豊富です。
端末補償サービスは月額500円
セット端末を購入した場合、毎月500円(税抜)で端末補償サービスを申し込むことができます。全損・部分破損、自然故障、水没、画面割れなどのトラブルの際に、電話1本で端末の修理・交換を低価格で受けられます。修理交換費用は4,000円~9,000円(税抜)です。
インターネット関連企業、XTech(クロステック)社の傘下に
2018年秋に、インターネット関連事業を行う新進企業のXTech社が、エキサイトの買収を発表しました。これにより、エキサイトモバイルが今後どのようになるかはまだよくわかっていません。
元々のエキサイト社の事業の中で、格安SIM事業は健闘しているとのこと。最適料金プランなどユニークなサービスはユーザーからの支持も高いので、今後の動向が気になるところです。
まとめ
エキサイトモバイルは、早くから格安SIMサービスに着手した実績のあるブランドです。docomo系の格安SIMであり、毎月利用した分だけ料金を支払うユニークな「最適料金プラン」と一般的な「定額プラン」が用意されています。
また、3枚コースという設定もあり、家族でデータを分け合うこともできます。1人で複数台の端末を利用する人にも便利でお得なサービスです。
料金設定は、「低速通信のみ」「30、40、50Gの大容量」といった設定があり、ライトユーザーもヘビーユーザーも満足できるプランがあります。また、高速通信容量の繰り越し・バースト機能・高速通信のON/OFF切り替えなど、使い勝手の良い機能もそろっています。
残念ながら通話がお得になるサービスがないことと、親会社が変わったばかりで先行きが不透明なことが現時点での不安材料です。今後のサービス展開がどうなるか、注意深く見守っていきたいと思います。