格安SIMを選ぶ上で、はずせないポイントのひとつである通信速度。通信速度は速い方がいいに決まっています。…でも、条件によって速度の数値は大きく変わるため、「速い」「遅い」と断言しづらいのです。あくまでも参考程度ですが、最大通信速度が速い格安SIMをピックアップしてみます。
通信速度が遅いとどうなる?
通信速度とは、通信をしたときのスピードです。遅くなってしまうと、快適な通信ができなくなります。動画を見るときに読み込みが止まってしまったり、画像の多いサイトを開けなかったりします。これではスマホを気持ちよく使えませんね。
最大通信速度の速い格安SIM
「最大通信速度」の速い格安SIMをピックアップしてみました。
格安SIMの最大通信速度
格安SIM | 下り最大 | 上り最大 | |
---|---|---|---|
1 | IIJ mio タイプD:docomoプラン (BIC SIMも同じ) |
988Mbps | 75Mbps |
2 | 楽天モバイル | 500Mbps | |
DMM mobile | |||
3 | nuroモバイル | 375Mbps | |
NifMo | |||
LINEモバイル | |||
イオンモバイル | |||
U-mobile |
BIC SIMは、IIJ mioのSIMと同じものです。
格安SIMのサイトでも「最大225Mbps」というような表記をよく見かけると思います。最大通信速度は、どの会社も150~375Mbpsくらいの数値が出ています。
通信速度の基礎知識
「Mbps」や「下り」というのがどういう意味か、ピンと来ない方も多いのはないでしょうか。通信速度に関わる聞き慣れない言葉や単位を、まとめて解説します。
最大通信速度
SIMで出せる最大速度のことです。条件を整えた上での理論値であり、実際のスピードでここまで出ることはありません。
Mbps / Kbps
通信速度の単位。1Mbps =128 KBpsです。1秒あたりどのくらいのデータを送れるかを示していて、数字が大きいほど送れるデータが多くなります。スマホを使っていて「速度が遅い」と感じるのは、1Mbps以下の時が多いようです。
ベストエフォート
英語で最大限の努力という意味です。最高の条件の下で出る速度です、という意味で使われます。
実効速度
実際に出る速度のことです。最大通信速度とは大きな開きがあります。速度測定サイトでは、スピードテストを行って計測しています。状況によりますが、「十分速い」と言われる目安は1Mbpsくらい。5~10Mbps出ていれば「速い」と評価されます。
下り速度
下りとは、受信・ダウンロードのことです。たとえば、動画のストリーミング・Webサイトの閲覧・アプリのダウンロードなどは下りです。「速い」「遅い」と感じるのは、こちらの速度です。
上り速度
上りとは、送信・アップロードのことです。たとえば、メールの送信・写真をアップロード・LINEでメッセージの送信などは上りです。
快適な通信には1~2Mbpsあると良い
格安SIMの最大通信速度と、実際の速度はかなり違います。それでは、どんな通信でどんくらいの速度があると良いのでしょうか。おおよその目安を上げてみましょう。
テキスト中心の送受信 …200Kbps~1Mbps
最低でも200Kbpsあれば大丈夫。LINEやメールなど、文字が中心の送受信はこれで十分です。
画像のあるサイトの受信など …200Kbps~2Mbps
Webの閲覧では1Mbpsほど。Instagramは画像が中心なので、やはり1Mbpsくらい欲しいです。
動画の閲覧 …1~3Mbps
動画も快適に楽しみたいなら1~3Mbps。高画質の場合は、5Mbpsあるといいでしょう。
格安SIMでは、大手キャリアより通信速度が遅くなる
格安SIMは、大手キャリア(docomo、au、SoftBank)よりも通信速度が遅くなります。それは、格安SIMは大手キャリアの通信回線の一部を借りてサービスを行っているからです。このため、格安SIMの通信速度はどうしても大手キャリアに比べると遅くなってしまいます。
混み合うと遅くなるので、ユーザー数が多いと速度が出なくなります。通信速度への影響が大きい要因は時間帯と場所で、お昼休みや通勤時間はどうしても遅くなります。都心の駅など、人の多い場所でも速度が出ません。他にも、天候などさまざまな条件が通信速度を左右します。一概にここが速い、遅いと決め付けられないのはこのためです。
ユーザーのために、回線状況を改善してくれるか
通信速度が状況に左右されるとするなら、何かの目安になるものはあるのでしょうか。
格安SIMを選ぶ時は、変化の大きい通信速度よりも安定性に注目しましょう。安定してそれなりの速度が出る格安SIMの方が、ストレスなく使えます。
また、ユーザーが増えたときや通信速度が落ちてきた時に「回線増強」という形で改善を図ってくれる格安SIMだと安心です。一度速度が落ち込んでも、すばやく対応してくれるなら不満もつのりません。回線設備を増強してくれる格安SIMからは「ユーザーが快適に使えるように」という気持ちが伝わってきます。
ただし、通信設備にどんどんコストを投入すると、格安SIMの長所である「安さ」が実現しなくなるかもしれません。利益が出なくなってしまったらサービスも先細りになってしまうでしょう。バランスが難しい問題です。
実効速度が速いと言われる格安SIM
通信速度が水もので、ここが速い!と言い切るのが難しいことは説明した通りです。実効速度でランキングをつけているサイトがいくつかありますが、データに変化がつきものなので、毎月情報を更新しているところがほとんどです。通信速度から格安SIMを検討する場合は、最新のデータを参考にしましょう。
今の段階で、一部のユーザーから「比較的速い」とよく言われている格安SIMをいくつか選んでみます。参考程度に読んでください。
※2020年1月時点のデータによる
UQモバイル
au回線の格安SIM。UQモバイルは、KDDIの100%子会社が運営していた格安SIMです。auのサブブランドということが関係しているのか、通信速度も安定性も高評価です。
UQモバイル(公式サイト)
mineo
docomo回線・au回線・ソフトバンク回線の3種類から選べる格安SIM。通信速度の速さもそこそこですが、回線増強をまめに行ってくれます。(回線増強予定をカレンダーで公表しているくらいです)誠実な対応に好感が持てます。
mineo(公式サイト)
iijmio
docomo回線・au回線のどちらかを選べる格安SIM。速度の浮き沈みはありますが、比較的安定しています。格安SIMのパイオニア的存在であり、「企業姿勢が信頼できる」と満足度の高い格安SIMです。
IIJmio(公式サイト)
まとめ
格安SIMを選ぶ上で、通信速度は気になるものです。最大通信速度は、速い会社で682Mbps。どの格安SIMも150~375Mbpsといった数値です。
実際の速度は最大通信速度とかなり違うので、速度で格安SIMを選ぶ場合は、最新の実効速度をチェックしましょう。通信速度は環境などの条件に大きく左右されるため、あくまでも参考としてデータを利用してください。
通信速度の他に、通信の安定性や回線増強の様子などもチェックすると良いでしょう。ユーザーの目線でサービスを提供している格安SIMかどうかもわかります。