わかりやすい格安SIM入門

安くなってきてるけどどう?携帯大手3社の現在【2019】

2019/3/1

安くなってきてるけどどう?携帯大手3社の現在【2019】

格安SIMの契約数が1,000万回線を超える中、2019年には携帯大手3社も値下げを予定しています。国が主導する「4割値下げ」は実現するのでしょうか。各社の動向をまとめました。

大手3社は「4割値下げ」になる?

2018年8月に官房長官が「(携帯電話の料金は)今よりも4割ほど下げる余地がある」と発言しました。携帯大手3社(docomo、au、SoftBank)も、この発言を受けて、それぞれのサービスを見直すと公表しています。

2019年春商戦はこれからです。4月以降のサービス詳細は今のところ明確になってはいません。しかし、政府の意向に沿った形で、なんらかの値下げプランが提示されると思われます。各社の値下げに関する発言と、現時点で判明している低料金プランについて紹介しましょう。

docomo – 2割~4割価格を下げた料金プランを19年4月に投入予定

docomoは、2019年4月~6月期に新しい料金プランを投入するという発表がありました。2019年2月初旬の時点では、具体的な内容についてまだわかっていません。しかし、「分離プラン」と呼ばれる料金プランを拡充することは公表されています。

スマホ代と通信料を区別する「分離プラン」

分離プランとは、「スマホ端末の購入代金」と「毎月の通信料金」を分けた料金プランのこと。スマホ端末代金と通信料金を別々にすると、ネット利用のデータ量や通話料が明確になります。

スマホの長期利用者向けサービス「docomo with」の進化版が登場?

docomoの値下げは、既に利用されている「docomo with」をベースにするのではないかと言われています。docomo withは、いまだに1700万件の契約があるフィーチャーフォンからスマホへの乗り換えを促すプラン。分離プランの1つです。

このプランは、対象機種の購入で利用料金がずっと毎月1,500円割引となるサービスです。基本的にはスマホのライトユーザーや、高品質のスマホを長く利用したい人向けのプランというイメージです。

現状のdocomo withは、対象端末が限られています。国からは「端末購入を条件とする通信料金の割引をなくすように」という提言も受けているので、対象機種を増やしたり、中古スマホでも適用できるなどの条件変更が考えられます。こうしたプランの改善を元に、2~4割程度の値下げを実現させたいようです。

au – ピタットプラン・フラットプランに加えて追加値下げも?

au(KDDI)は、2018年末に携帯料金の値下げについて言及しました。高橋社長は「(2017年スタートの)ピタットプランで4割、フラットプランで2割の値下げを既に実施している」と述べています。

ピタットプラン

  • データを使った分だけ支払い(段階定額制、5段階)
  • 1GBまでの利用であれば1,980円/月(税抜)
  • 通話とデータ通信はコミコミ
  • 機種代金、オプション料金は別払い
  • 毎月のデータ通信料3GB未満の人におすすめ

フラットプラン

  • 大容量プラン(定額制)
  • 「20GB」「25GB」「30GB」の3段階
  • 20GBで1年間の4,000円/月(税抜)~
  • 最大6台までの端末でシェア可能
  • 通話スタイル3種類から選択可能
  • 毎月のデータ通信料3GB以上の人におすすめ

両プランは、docomoが推進しようとしているものと同様の分離プランです。政府の提言をいち早く取り入れていると言えます。なお、docomoの値下げがauの料金水準より低いものであれば、さらなる値下げも考えているとのことです。

ただし、ピタットプランとフラットプランの最安料金を実現するには条件がいくつかあり、誰もが安く契約できるものではありません。また、ピタットプランとフラットプランでは通信料金が安くなる反面、スマホ端末代金が割高になるという問題があります。

「4年縛り」の廃止

分離プランで端末代金を割引なしに購入すると、最新のiPhoneであれば10万円以上を支払わなければなりません。月々の負担額を少なくするために48回払いを導入したものの、「4年縛り」は厳しい契約拘束です。auは、この4年縛りの条件(機種変更後も同じプログラムに加入すること)を2019年1月に撤廃し、解約しやすくしました。キャリアの「囲い込み」が少し緩んだことになります。

SoftBank – YouTubeやInstagramのカウントフリーで実質値下げ

SoftBankは、2018年秋に「低料金プラン」を開始しています。「ウルトラギガモンスター+」と「ミニモンスター」です。通信料金と端末代金を分離した、今までよりもシンプルな料金プランです。

ウルトラギガモンスター+

  • 大容量プラン(定額制) 50GB 5,980円/月
  • 新規契約、機種変更で12カ月間は3,480円/月~
    (2年契約、1年おトク割、みんな家族割+4人、おうち割光セット適用時)
  • 動画やSNSがカウントフリー
    (動画配信サービス「YouTube」「AbemaTV」「TVer」「GYAO!」「Hulu」
    SNSサービス「LINE」「Instagram」「Facebook」)

ミニモンスター

  • データを使った分だけ支払い(段階定額制、4段階)
  • データ定額ミニモンスター 1GB 2,480円/月
  • 新規契約、機種変更で12カ月間は1,980円/月~
    (通話基本プラン2年契約、1年おトク割、ネットとセットで割引適用時)

YouTubeやInstagramのカウントフリーで実質的な値下げに

ウルトラギガモンスター+は、YouTubeなどの動画サービスや、InstagramなどのSNSのデータ通信料を無料にする「カウントフリー」も実施しています。動画をよく見る、SNSのヘビーユーザーには嬉しいサービスです。「YouTubeやInstagramなどはデータ通信量の約43%を占める」「これをカウントフリーにすれば、実質的に2~3割値下げしたのと同じ」と孫社長も言っていました。

SoftBankもauと同様に、端末購入の48回払い=4年縛りを設定していましたが、2018年11月から撤廃しました。機種変更時に今までの契約プログラムに再加入する条件がなくなったため、契約変更や解約のフットワークが軽くなります。

docomoの値下げの動きも気になるようです。docomoの新料金プランが発表された後には、対抗する意図があるとのこと。また、サブブランドのY!mobileでもさらなる値下げを実施する予定です。

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