わかりやすい格安SIM入門

格安SIMの登場前から普及まで-日本のモバイル通信市場の歴史

2018/12/21

格安SIMの登場前から普及まで

真っ赤なボディコンのワンピースに太眉メイク…バブル時代のあるあるネタでブレイクした平野ノラさん。彼女が肩から下げている携帯電話、驚くほど大きいですね。ポケットに入れて持ち歩く現在のスマホとは大違いです。電話=NTTという時代から、docomo、au、SoftBankの大手3社の時代へ。そして格安SIMを使った情報通信サービスへと、時代は移り変わっています。日本のモバイル通信市場は、これからどんな道を歩むのでしょうか。

格安SIMが登場するまでのモバイル通信市場

携帯電話の誕生はいつ? モバイル通信市場の歴史をひもといてみましょう。

1970年代:「近未来」の電話機が展示された大阪万博

大阪での万国博覧会の開催は1970年。この会場で、電話線のないワイヤレスフォンが展示・実演されています。「持ち運びできる手軽な電話機」が近未来の技術として望まれ、開発が始まっていたことがわかります。実際のモバイル通信は、自動車電話から実現しました。このサービスが日本でスタートしたのは1979年です。

1980年代:携帯電話の誕生

1985年、電電公社が民営化し、NTTという名に変わりました。同年、日本初のポータブル電話機である「ショルダーホン」を発売。平野ノラさんの肩掛け式電話です。バッテリーがセットのため大きく、3kgもの重さになったとのこと。当時の携帯電話はすべてレンタルで、ショルダーホンで通話している姿は時代の最先端でした。その後NTTはより小さい携帯電話を発売。手のひらサイズまで小型化しました。「携帯電話」という呼び名はこの時が最初です。小型化は画期的でしたが、重さは900g。腕が鍛えられそうです。
1988年、日本移動体通信(IDO、現au)、DDIセルラーグループ各社(現au)が新規参入。NTTの独占市場からの脱却です。DDIセルラーは翌年、さらに小型の携帯電話機を発売。市場に活気が増していきます。とはいえ、まだまだこの時代のメインはポケベルでした。

1990年代~:ポケベルから携帯電話へと主役交代

NTTも小型携帯電話「mova」を発売。230gの軽量化をとげ、ようやく見慣れた携帯電話へと近づきます。NTTドコモという会社になったのは1991年です。
1994年、デジタルホングループ(現ソフトバンクモバイル)、ツーカーグループが新規参入。各社の競争が激しくなってきました。端末買取制度が始まると、普及に加速度がついていきます。そして通話以外の機能も次々に発表されるように。着信メロディ機能がブームになり、ショートメッセージサービスが始まります。
1999年にはインターネット接続サービスが開始。カラー液晶端末もこの年に登場しました。ユーザーは激増し、携帯電話・PHSの番号が10桁から11桁となったのもこの頃です。
1999年にはデジタルホン・デジタルツーカーグループが統合し、J-フォングループとなります。

2000年代~: 写メール、ワンセグ…多様な機能が一気に開花

2000年代は新機能が続々と登場した時代です。カメラ付き携帯、FOMAサービス、写メールサービス、着うたサービス、動画送信、災害伝言板サービス、おサイフケータイ、ワンセグ、番号ポータビリティ制度…今や当たり前の機能ばかりですね。また、各社の統合・再編が目まぐるしくおこなわれました。KDD・DDI・IDOが合併しKDDIに。「au」ブランド誕生です。J-フォン株式会社はボーダフォン株式会社に変わり、さらにソフトバンクモバイル株式会社に社名変更します。こうして三大キャリアが出そろいました。
2008年、ソフトバンクモバイルが日本で初めてiPhoneを発売。いよいよスマホ時代の幕開けです。

2010年代~: スマートフォンの普及とMVNOの時代へ

スマートフォンは飛躍的に普及します。2010年には初のAndroid搭載端末が発売。2011年にはKDDIがiPhoneの取り扱いを開始。NTTドコモも2013年にiPhoneを発売しました。また、2011年にはLINEがリリース。SNSの利用者が増え、TwitterやFacebook、Instagramなどのアプリが広まります。2014年にはVoLTEサービスが始まります。ユーザーの増加に伴い、コミュニケーションツールとしてのスマホの存在感が大きくなってきました。

格安SIMの登場

スマホ時代を背景に、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)、訳して「仮想移動体通信事業者」が登場します。MVNOは、docomoなどの大手キャリアから回線の一部を借りて通信サービスを提供する会社。自前の通信設備を持たないことで管理・運営コストを抑えることができ、格安SIMによる新しい情報サービスを展開しているのです。2001年 にb-mobile(日本通信)がPHS回線を借りてデータ通信サービスを開始したのが日本でのMVNO第一号。2009年にはイオンで契約できる格安SIMが発表されました。
MVNO誕生の背景には国からの働きかけがありました。三大キャリアの寡占である業界に他の事業者が加われば、競争が激しくなり、より良いサービスや安さが実現すると見込まれたのです。電波は無限にあるわけではなく、事業者にやみくもに割り当てていくことはできません。そこで大手キャリアから通信回線を借り受ける形で新規参入の事業者を増やしていこうという狙いです。国の電波を統括する総務省は2002年頃から自由化促進を進め、市場を後押ししています。

格安SIMの電波エリア・通信環境について

格安SIMが普及し始めたきっかけ

大手キャリアの通信回線をの一部を借りると言いましたが、大手キャリアはすんなり譲ってくれたのでしょうか。手間暇かけて全国に作り上げた設備です。競争相手に貸したくないのが当たり前というもの。
2007年に改訂された「MVNO事業ガイドライン」では、「通信事業者は他の事業者から回線を貸して欲しいと要求された時に、不当な理由がなければ貸し出しを了承しなければならない」というルールを整えました。そしてそのガイドラインに即して、MVNOがNTTドコモの回線を借りることに成功したのです。その後も総務省はさまざまな施策を発表していきます。

SIMロックの解除とは

携帯電話の頭脳であるSIMカードには、電話番号など契約情報が全て登録されています。これがないと通信ができません。このSIMカードと特定のキャリアを結びつけ、他では使えないように制限することをSIMロックと言います。ユーザーを囲い込めるのでキャリア側には大きなメリットがあり、ユーザー側にも「0円ケータイ」が買えるといったメリットがありました。ハイスペックのスマホ端末が0円で買える? 今考えても特殊な現象ですね。こうした囲い込みが携帯のガラパゴス化をもたらし、国は大きな経済的損失を被ることになりました。そこで進められたのが、SIMロックの仕組みを止めてもらうことです。ロックを解除できれば、キャリアにこだわらずにSIMカードを入れ替えることができ、自由な通信サービスが実現します。世界標準に統一することも可能となり、海外市場への展開も広がります。この策をいち早く打ち出したのはNTTドコモで、「2011年4月以降に出荷する携帯端末にSIMロック解除できる機能を盛り込む」という方針を発表しました。これは当時iPhoneで大躍進を遂げたSoftbankへの対抗策だったと思われます。総務省は2014年にSIMロック解除の義務化を決めました。本格的なSIMフリー時代の到来です。

SIMロック解除とは?メリット・デメリットなど

キャリアからMVNOへの卸価格の値下げ

MVNOが回線をスムーズに借り受けられるように、という施策もあります。総務省は大手キャリアにMVNOが支払う回線接続料の引き下げを進めています。通信回線の大きなシェアを持つNTTドコモは、いわば回線の「卸問屋」。その「卸価格」を引き下げてもらい、MVNOが回線を借りやすくなるように…ということです。MVNO各社が交渉して安く貸してもらっている、というわけではありません。回線使用料を決定しているのは大手キャリアだからです。そこで総務省は自らが管理する電波を大手キャリアに割り当てる一方で、MVNOがキャリアに支払う接続料の引き下げを求めてきたのです。この施策のおかげで、新しいMVNOがモバイル通信市場に参入しやすくなりました。今やMVNO事業者は800社以上! 回線を借りるコストが下がればユーザーへの還元も大きくなる=スマホの料金がさらに下がるかもしれません。ユーザーにとってはありがたいことですね。

MVNO – docomo系・au系・SoftBank系の比較

現在のモバイル通信市場について

「どこでも電話ができたら」という夢から始まったモバイル市場。現在、スマホは日々の暮らしに必要不可欠な存在です。SNSによって、コミュニケーションのあり方も変わりました。1対1で話すのではなく、相手は複数。文字ではなく写真、動画へとコンテンツも変わりました。動画を見るのに適した高解像度、大画面の端末がヒットしています。スマホの小型化が落ち着くかたわら、ウェラブル端末としてスマートウォッチも現れました。
MVNOによる「高機能」「低価格」を備えたスマホ端末も数多く登場。各社さまざまなサービスを用意しているので、自分ならではの端末やプランを選ぶことができます。大手キャリア三強の時代から、フレキシブルな通信サービスを享受できる時代へと移行したのです。格安スマホ、格安SIMの認知度も8割を誇るまでになりました。最先端のスペックがいい、とにかく安く使いたい…たくさんの選択肢からプランを選び、非常に安くスマホを使うことができます。
とはいえ、格安SIMの利用者はまだまだ多くはありません。通信速度への不安、乗り換え手続きの煩わしさなどが課題なのでしょう。大手キャリア三社は「2年縛り」などユーザーの囲い込みを続けており、主要な通信料金は足並みをそろえるなど競争が盛んとは言いかねる現状です。総務省は本腰を入れてMVNO普及のために動いています。

今後の展望

進化する格安SIM市場

「大手キャリアは安心」…そんな声も聞こえてきます。「今のままで十分」「面倒だから」という気持ちもあるかもしれません。その一方で、格安SIMからスタートする10代ユーザーが増え、女性の普及率も年ごとに上がっています。また、男女ともに60代以上のユーザーも増加を続けているとのこと。世代や性別に関わらず格安SIMを手に取ってもらうために、MVNO各社はより安心できる環境づくりに力を尽くしています。
たとえばサポート環境の充実。MVNOはコスト削減のためショップを持たないところが多いのですが、大手キャリアと同様にショップを構え、ユーザーが相談しやすくしたMVNOもあります。また、個人でおこなうには荷が重い初期設定を済ませてくれる会社もあります。大手キャリアと変わりない安心感に納得できれば、よりユーザーの裾野が広がることでしょう。細やかなニーズに沿ったサービス設計、大手キャリアとは異なる料金体系のシンプルさなどは要チェックです。格安SIM市場そのものがまだ日が浅いので、通信環境やサービスのラインナップはどんどん変わっていくことでしょう。この先が楽しみです。

認知度の高さに追いつくように、普及率も右肩上がり

新しい技術・高度なスペックが常に話題となるスマホにおいて、MVNOの登場はユーザーにとって革新的なことでした。企業や団体、一般のユーザーすべてがネットワークや端末を自由に組み合わせ、ニーズに応じた多彩なサービスを利用できるように…総務省のガイドラインに記されている目的のひとつです。今のところ大手キャリアでなんとなく過ごしているという方も、何がきっかけで乗り換えを意識するかはわかりません。あなたの心強いパートナーであるスマホを、より手軽に、より賢く使っていきたいものですね。

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