格安SIMの料金表を見ると、「データプラン」「SMS付」というプランがあります。いったいどういうもの? とモヤモヤしていませんか。データプラン・SMSプラン・音声プランの違いをまとめてみました。
格安SIMの種類:データSIM・SMS機能付データSIM・音声SIM
格安SIMを機能で分けると、2つの種類があります。データSIMと、音声通話SIMです。さらに、データSIMには、SMS機能がついているものとついていないものがあります。
- データSIM(SMS機能なし)…データプラン
- SMS機能付 データSIM …SMSプラン
- 音声通話SIM …音声プラン
SMSとは何?
SMSとは、「Short Message Service(ショートメッセージサービス)」のこと。スマホ同士で短いメッセージを送受信できます。異なるキャリア間でも利用できるという長所があります。電話回線を使って通信を行うので、音声通話付のSIMにはこの機能が付いています。
今はLINEなどのアプリがあるので、ショートメッセージサービス自体はなくても困らないでしょう。が、この機能を利用してアプリの初期登録や銀行サービスなどの本人確認に使われることがあります。主要なアプリがSMS認証を採用しているため、SMS機能がないと困ってしまうケースもあるかもしれません。
SMS認証を行うアプリの例
- LINE
- カカオトーク
- 楽天でんわ
- モバゲー
- GREE
- アメーバピグ
- オリコカードなど一部のクレジットカード
人気のアプリが多いですね。この他にも、SMS認証が必要なアプリがたくさんあります。利用したいアプリについては事前に確認しておくと良いでしょう。
SMSとSNSは違うもの?
混同しがちな「SNS」という言葉についても説明しておきましょう。こちらはSNS(Social Networking Service)のこと。インターネットを利用したコミュニケーションサービスを指します。具体的にはTwitter、LINE、Facebookなどのことですね。SNSを使う時に、SMS認証を行う…という話です。
それぞれのプランのメリットとデメリット
メリット | デメリット | |
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データ プラン |
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SMSプラン |
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音声プラン |
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それぞれのプランについて見ていきましょう。
データプラン:インターネット通信のみ利用できる
データ通信機能だけのプランです。電話番号を持たないため、電話番号を利用した音声通話ができません。格安SIM会社によって、データ専用プラン、シングルタイプなどとも呼ばれます。
データプランのメリット
電話番号を持つ音声通話SIMに比べて価格が安くなります。格安SIMによっては、ワンコイン(500円)以下のプランも。激安です。
電話番号がないだけで、電話ができないわけではありません。IP電話サービスなどで通話できるので、これで十分という方も多いことでしょう。メールやWebブラウザ、アプリなどは利用できます。
このデータプランは、最低利用期間がないことがほとんどです。解約が簡単なので、格安SIMをためしに使ってみたい、という場合はデータプランからトライしてみてはどうでしょうか。
データプランのデメリット
携帯電話番号での通話はできません。また、IP電話で通話できても、110や119などの緊急通報ができないことも心に留めておきましょう。高齢の方が使用する場合は注意してください。
SMS機能がないため、LINEの初期登録やTwitter、GREEなどのアプリでSMS認証ができなくなります。他の登録方法などがあれば良いのですが、少々不便になるかもしれません。LINEではFacebookのアカウントによる登録も可能ですが、電話番号登録をしないため、無料のLINE電話などが利用できません。
バッテリー消費が激しくなる問題も
また、バッテリーの消費が激しくなる可能性があります。電波が届いているのに「圏外」表示になってしまう問題です。音声回線を検知できないために、電波を探し続けてしまい、バッテリーが消耗してしまいます。(アンテナピクト問題・セルスタンバイ問題)
これらの問題は、最近の機種ではあまり起こらないという報告もあります。中古の機種などの利用を考えている場合は、確認しておいた方が良いでしょう。
データプランをおすすめできる人
- 電話をほとんど利用しない方
- スマホなどを2台以上利用している方
- とにかく安く利用したい方
アプリの電話を利用する方、そもそもスマホで通話をしない方は、音声SIMを選ぶ必要はありません。月額料金はもっとも安くなります。
また、スマホとタブレットを使っている方・スマホを2台持っている方は、2台目の端末でデータSIMを便利に使いこなせることでしょう。
固定電話回線も通話用の電話も持たない方は、緊急通報のできないスマホだけというのは少々不安です。メインのスマホなのであれば、音声プランをおすすめしたいところです。
SMSプラン:データプランにSMS機能を付加
SMS付データSIMは、データ通信専用のデータSIMに、SMS機能だけを付加したSIMです。電話番号による音声通話は利用できません。格安SIM会社によって、データプランに付け加える形のオプションとして紹介されている場合と、独立したプランとして設定されている場合があります。
SMSプランのメリット
TwitterやLINEなど、SMS認証が必要なアプリを楽しむことができます。また、音声回線の電波をキャッチできるため、バッテリーの消費が激しくなる問題がクリアになります。
SMSプランのデメリット
データSIMに月額100~170円の料金が加算されます。最安プランを考えている場合はちょっと残念ですね。
また、緊急通報はSMS機能を付加しても利用できません。
SMS付プランをおすすめできる人
- 電話はほとんどしないけれど、LINEやTwitterなどは利用したい方
- SMS認証が必要なゲームなどを利用したい方
- データプランを安心して使いたい方、バッテリー消耗を避けたい方
- スマホなどを2台以上利用している方
SMS認証を行うアプリは多く、SMS機能さえあればこれらのアプリが使えるようになります。月に100~170円の支払いが気にならないなら、SMS付プランを選びましょう。
また、データプランと同様に緊急通報ができないのが心配です。固定回線・通話用の電話が他にない場合はよく検討してみてください。
格安SIMのSMSプランってどういう人が申し込むの?
音声プラン:電話+データ通信ができる
音声SIMとは、通話とインターネット通信の両方ができるSIMです。格安SIM会社によって、通話プラン、音声通話プラン、デュアルタイプなどと呼ばれます。
音声プランのメリット
大手キャリアで使っていたような機能が欲しい場合は、この音声通話SIMを選びます。「090」「080」「050」などの電話番号がもらえて電話回線の通話が可能です。
大手キャリアで使っていた電話番号は、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)の手続きをすればそのまま使えます。MNPを利用する場合は、必ず音声SIMになります。また、110、119といった緊急番号にかけることもできます。
キャンペーンや割引サービスが実施されている場合、音声プランの方がお得なことが多いです。音声プランの方が長く使ってもらえることが多いので、サービスも良くなっているのでしょう。
音声プランのデメリット
音声通話ができる分、データSIMより料金は高くなります。
また、音声プランでは最低利用期間が設けられている場合がほとんどです。格安SIMにもよりますが、だいたい6ヶ月~12ヶ月くらいです。
まったく最低利用期間のないところもありますが、その場合はMNPを使って他社に移る手数料が高額に設定されています。とはいえ、大手キャリアの最低利用期間・2年間に比べると負担感は軽いですね。
音声プランをおすすめできる人
- 音声通話を利用する方
- 大手キャリアのスマホと同じような機能が欲しい方
- メインのスマホとして利用する方
- 固定電話回線を持たない方
- キャリアからMNPで格安SIMに乗り換える方
- いざという時のために緊急通報ができるようにしておきたい方
電話番号を利用して通話をするなら、音声SIM。LINEなどのコミュニケーションアプリだけで通話をすればいい、という方はSMS機能付SIMでもOKです。
大手キャリアからMNPで格安SIMに乗り換える場合も、音声通話SIMを選択することになります。
まとめ
データプランはインターネット通信専用のプラン。電話を利用しない方はデータプランが一番低価格です。スマホを2台使っていたり、タブレットを利用している方も、サブの端末はデータプランでOKでしょう。
LINEやFacebookなどを利用したい方は、SMS機能付のプランを選びましょう。SMS機能をプラスすると、データプランよりも月額料金が100円~170円ほど高くなりますが、音声プランよりは安く利用できます。その上で、通常の電話の利用がほとんどない方はSMSプランをおすすめします。
大手キャリアと変わらない使い方をしたい場合は、電話番号によって通常の回線で通話できる音声プランを選びます。もちろんLINEなどの主要アプリを使うこともできます。固定回線を持たず、メインのスマホとして利用する場合も音声プランがベストです。