SIMカードってどんなものかご存知ですか。「…スマートフォンとかの?」と見当はつくものの、詳しいことはよくわからない方も多いのではないでしょうか。スマホに必要不可欠なSIMカードについて、解説しましょう。
SIMカードは通信に必要なカード
スマホの身分証
SIMカードは、携帯電話やスマホで通信するためのICチップカード。英語では「Subscriber Identity Module Card」、訳すと「加入者を識別するカード」です。カードには電話番号を決める固有のIDナンバーが割り振られていて、このカードが差し込まれた端末が自分のスマホとなります。スマホにとっての身分証のようなものかもしれません。
SIMカードには何が入っている?
ここには、電話番号や料金プランなどすべての契約情報が書き込まれています。SIMカードが入っていないと、電話やメール、インターネットなどはできません。キャリア(大手の携帯電話会社)でスマホを購入した時は、SIMカードが差し込まれた状態の端末を渡されます。
取り外すとどうなるの?
通信が使えなくなります。外からの電話も受信できません。とはいえ、すべてのスマホの機能が使えなくなるわけではありません。端末自体が持っている、ネットワークを介さない機能なら大丈夫です。音楽を聴いたりカメラを使ったりすることはできます。目覚まし時計として毎日使っている、という人もいるようです。
SIMカードにはどんなものがある?
SIMカードにはいくつかの種類があります。それぞれの端末に合ったものを選ばないと使えません。ここで
は、主な3種類を紹介しましょう。
標準SIM(=ミニSIM)
広く使用されている3種類の中では一番大きなサイズのSIMカード。大きさは15mm×25mm。最近の機種ではあまり採用されていません。
microSIM(マイクロSIM)
サイズは12mm×15mm。主にLTE回線対応のスマホ、Android機種で多く採用されています。対応する端末が豊富です。
nanoSIM(ナノSIM)
2019年現在の主流です。nanoSIMは、一般に使われている中で最小のもの。大きさは8.8mm×12.3mm。iPhoneで数多く採用されています。iPhone5以降はすべてこのnanoSIMです。新しい端末が多いですね。
サイズは違えど、機能は3種類とも同じ。形状は標準規格化されているので、どの会社のSIMカードを購入しても一緒です。
SIMカードの差し替えとは?
SIMロックって何?
もともとキャリアで購入したスマホの場合、キャリアと端末を結びつける制限がかけられていました。SIMロックと呼ばれるシステムです。 2015年5月からはSIMロック解除が義務化されたので、キャリアでSIMロックを解除してもらえるようになりました。
SIMロックを解除すれば、使い慣れたスマホを他の通信会社との契約下で使えるようになります。その場合、今までの携帯会社のSIMカードを抜く+新しい通信会社のSIMカードを入れる、という作業が発生します。
「差し替え」がちょっとややこしい…?
ところが、この「差し替え」が意外とやっかい。小さな精密機器ですから、扱いも細心の注意が必要です。なんとか入れ替えても、認識してくれないという場合もあります。格安SIMの会社に持ち込めば対応してもらえますが、有料となる場合が多いもの。やはり、自力でうまくクリアしたいですね。
SIMカードの取り出し方と差し込み方を簡単に解説しましょう。
iPhoneの場合
iPhone端末は、SIMカードのトレイが本体側面にあります。
iPhoneのSIMカードの取り出し方
- 本体に同梱されている「SIM取り出しツール」を用意しましょう。
- 電源をオフにします。
- SIMカードトレイを見つけます。本体側面を探してみてください。
- 「SIM取り出しツール」を本体側面の小さな穴に差し込みます。
- 「SIM取り出しツール」を押し込むと、カチリという音と一緒にトレイが出てきます。
- 手でトレイを引っ張り出し、カードを外してください。
※SIMカードを取り出す際には、どの向きで入っていたのか確認しておきましょう。
※「SIM取り出しツール」は、伸ばしたペーパークリップで代用できます。
iPhoneのSIMカードの差し込み方
- nanoSIMカードを用意します。まずは切り離してください。
- トレイに、端子の面が下になるように置きます。切り欠きを確認して置いてください。
- トレイごとiPhoneに入れます。取り出した時と同じ方向にしか入りません。
- 電源をオンにします。アンテナのところにキャリアの表示が現れたら、ちゃんと認識されています。
アンドロイド端末の場合
アンドロイド端末では、端末によってSIMカードの場所が違います。ここでは、代表的な2種類を取り上げました。SIMカードの位置がわからなかったら、メーカーのサイトや取扱説明書を確認しましょう。端末によっては、SDカードの場所と混同する場合もあるようです。迷ったら、まず確認です!
【端末の裏ブタを開けてトレイを出すタイプ】
SIMカードの取り出し方
- 電源をオフにします。
- 裏ブタを開けて電池パックを取り出します。
- SIMトレイを引き出します。ゆっくりスライドさせてみてください。
- SIMトレイから、SIMカードを取り出します。
※SIMカードを取り出す際には、どの向きで入っていたのか確認しておきましょう。
SIMカードの差し込み方
- SIMトレイにカードを取り付け、トレイを差し込みます。
裏表、上下に注意して置きましょう。 - 電池を元に戻し、裏ブタを閉めます。
- 電源をオンにして完了です。
【端末の側面にトレイがあるタイプ】
SIMカードの取り出し方
- 電源をオフにします。裏側にSIMカードがあるので、端末を裏返して作業するとよいでしょう。
- 本体の左側のキャップを開けます。
- 爪でトレイを引っ張り出します。
- トレイからSIMカードを取り出します。
※SIMカードを取り出す際には、どの向きで入っていたのか確認しておきましょう。
SIMカードの差し込み方
- トレイにSIMカードを取り付けます。
- 本体にゆっくり押し込んでセットします。
SIMの向きを間違えないように注意しましょう。 - 電源をオンにして完了です。
SIMカード差し替えの注意
差し替えの注意ポイント3点
- 電源をオフにする
SIMカードのデータが消えてしまうことがあります。電源を切って作業を開始しましょう。 - 端子の部分(金属の部分)に触れない
金属の部分が接触部です。素手で触ると故障の原因になることも。汚れやホコリにも要注意。汚れてしまった場合は、柔らかい布で拭きましょう。ティッシュは厳禁です。さらにホコリが付く可能性があります。 - 無理な力を入れない
向きが違うまま取り付けようとして、破損させてしまっては一大事。差し込み方が違うと端末が認識せず通信もできません。特にnanoSIMは小さいので慎重に。
古いSIMカード、どうすれば?
取り外したSIMカードは、もう使い道はありません。でも、そこには大事な個人情報がたっぷり…。悪用されては大変です。気軽にポイ捨てしてはダメ、絶対!
本来は、購入したキャリアのショップに返すものなのですが、ショップでも個人情報をどうするのかという問題があるようです。自分で処分する場合は、ハサミを入れて捨てましょう。
まとめ
スマホのSIMカードには、電話番号をはじめ契約のデータなど大切な情報が詰まっています。今まではキャリアから端末とセットになったものを渡されるだけでしたが、今や自分で差し替えができるまでになりました。SIMカードの知識が深まったら、格安SIMへの乗り換えのハードルも低くなりそうですね。